Masked Autoencoders Are Scalable Vision Learners を読んでいたら見かけた記述。
自己教師あり学習(Self-Supervised Learning)の分野では、モデルが学習した特徴表現の有用性を評価するための手法として「Linear Probing(リニアプロービング)」が広く用いられているらしい。この手法は事前学習済みのモデルの重みを固定し、その上にシンプルな線形分類器を追加して学習させることで得られた特徴表現がどれほど下流タスクに適しているかを評価する。
Linear Probing:手順
- 事前学習:自己教師あり学習を用いて大量のラベルなしデータからモデルを訓練し、特徴表現を学習する。
- 特徴抽出:重みを固定した学習済みモデルに対してデータを入力して特徴ベクトルを抽出する。
- 線形分類器の訓練:抽出した特徴ベクトルを入力として、新たに追加した線形分類器(通常は全結合層)を少量のラベル付きデータを用いて訓練する。
- 評価:テストデータを用いて線形分類器の性能を評価する。
この方法により事前学習で得られた特徴表現が下流タスクにどれほど有用であるかを測定でき、高い精度が得られれば、学習された特徴表現が効果的であることを言える。
Linear Probing:利点
- シンプルな評価:線形分類器のみを訓練するため計算コストが低く、迅速に評価が可能。
- 特徴表現の品質評価:複雑なモデルを追加しないため、純粋に学習された特徴表現の有用性を評価可能。
注意点:
Linear Probingは特徴表現の有用性を評価する一つの手法ではあるが、線形分類器で良好な結果が得られなくても特徴表現自体が無価値であるとは限らない。より複雑な非線形モデルを用いることで、特徴表現の有用性が発揮される場合もあるらしい。
ちなみに自己教師あり学習の分野ではLinear ProbingのほかFine-Tuningも一般的な評価手法として用いられているらしい。
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